家から歩いて2分くらいの場所にプールがあるんだ。
市営プールなんだけど辺りに民家は少なく、センターの管理人も夜の8時頃には帰っちゃう。
毎年7月に入るとプールの大掃除があるんだけど、プールに僕の家が近いということもあって毎年参加している。
いつも掃除にくるのは年配の方ばかりだったけど去年は違った。
その日は暑かった。
サンダルにハーフパンツ、Tシャツ、首にタオルをかけて出かけたんだ。
そして、僕は・・・その女の子に会ったんだ。
僕が着いた時には7レーンある25mプールの水はほとんどなかった。
中では12~13人ほどの人が棒ずりを持って壁面や床を磨いていた。
僕も用意されていた棒ずりを持って中に入り、誰と話すでもなく、せっせと掃除を続けていた。
30分くらいしたところでジュースを持ってきたおじさんが「休憩しませんかー」と一声かけた。
皆はプールの中から出て行く。
僕も休憩しようと思い外へ向かった。
その時、目の前で、汚れて滑りやすくなっていたのであろう段差に足を滑らせ、人がしりもちをつくように転んだ。
「大丈夫ですか?」と僕が声をかけるより先に振り向いたその顔は、恥ずかしさからか赤くなっていたのを覚えている。
歳は自分と同じくらいだろうか。
白に水色がかった長めのシャツを着ていてジャージをヒザのところまでめくっている。
若い子も掃除にくるんだなと思いつつ、転んだままの格好の彼女に手を差しのべた。 【「きてっ・・・ぁん!中に出して!」夜中のプールサイドにて…】の続きを読む